脱炭素社会へ加速

太陽光発電

近年、脱炭素社会へのシフトがいたるところで叫ばれています。

日本でも、2020年、菅前内閣総理大臣が「2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指す」と宣言しました。

さらに、2030年度の温室効果ガス排出量を46%削減すると明言したことを機に一気に脱炭素への取り組みが加速しました。

この脱炭素実現に向けて、太陽光発電などの再生可能エネルギーによる自家発電を検討する企業が増えてきた気がします。

ただし、太陽光発電は設備の設置に費用と労力がかかるため、躊躇する企業も少なくありません。

第三者所有モデルとは

このような状況下で、注目を集めているのが、太陽光発電の「第三者所有モデル」です。

これは、太陽光発電の事業会社が、電気利用者の住宅や工場などの屋根に無償で太陽光パネルを設置するというものです。

利用者は、使用した電気の代金を支払うだけなので、初期費用がかからない上、メンテナンスのわずらわしさもなく、CO2削減に貢献できるのがメリットです。

しかも、一般の電力会社の電気よりも、太陽光の電気代のほうが安いので、光熱費削減もできます。

 

利用者のメリット

太陽光発電の「第三者所有モデル」は、事業会社は事業による利益を得られ、利用者は電気代の削減、地球環境にとってはCO2削減になります。

近江商人は「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」を唱え、商売の基本姿勢を示しました。「第三者所有モデル」はまさに三方よしのモデルといえます。

日本では利用者はまだ少ないのですが、米国では盛んにおこなわれており、電気自動車大手のテスラなどが事業に参入しています。今後、日本でも「三方よし」の「第三者所有モデル」が発展するのか。注目したいところです。

 

世界的に脱炭素の流れが強まる今日、二酸化炭素を発しない太陽光発電の普及に期待が寄せられています。

現在、太陽光発電の事業者の多くは、野原などに太陽光パネルを設置し、発電した電気を電力会社に売っています。国は買い取り制度を設けて、電力会社が一定期間、決まった価格で電気を買い取ることを約束しています。

背景には、再生可能エネルギーによる発電を普及したいという政府の思惑があります。

太陽光発電事業の中でも、最近、参入者が増えているのが「第三者所有モデル」です。これは、事業を行う会社が利用者の屋根に太陽光パネルを無償で設置し、利用者に電気を売るというビジネスです。大手電力会社や住宅メーカー、リース会社などの参入が相次いでいます。

ただ、太陽光発電の場合、買い取り制度を利用すれば、発電事業者は確実に電気を買い取ってもらえます。

にもかかわらず、なぜ、個人などに電気を売るのでしょうか。

 

買取価格の低下

背景には、買い取り価格の低下があります。2012年は電気量が10kW以上の場合、1kWhあたり40円で買い取ってもらえました。ところが、2019年になると14円に、2020年は12円まで低下しています。

買い取り価格の低下に伴い利益率が下がる一方で、太陽光パネルなど、設備の価格が下がり、太陽光発電に要するコストはだいぶ低く抑えられるようになりました。

現在では、買い取り制度を利用するよりも、一般の利用者に電気を売ったほうが、利益を大きく得られる時代となりました。こうしたことから、利用者の屋根を利用する「第三者所有モデル」に期待が集まるようになったのです。

太陽光発電で電気を自給自足できるようになれば、台風で断線が起きても停電で困ることはありません。災害対策という点でも、「第三者所有モデル」は有効です。