不動産(家賃)に関する消費税

不動産投資対応の税理士

不動産オーナーの方から質問が多いのが消費税に関することです。

消費税とは、日本国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象としており、消費税が課税されます。ただし、政策的な理由などで消費税が非課税されるものもあり、原則として住宅の貸付けは非課税とされています。

通常の戸建住宅の貸付けなどであれば議論の余地はありませんが、疑問になるのが、ウィークリーマンションや一括マンションの取扱いです。

今回の税理士ブログのテーマは、この住宅の家賃について記載したいと思います。

住宅の範囲とは

消費税においては、住宅の貸付けとは何を指すのかが重要となってきます。そこで住宅の範囲については、国税庁のホームページを見ると、下記のように定義されています。

住宅とは、人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分をいい、一戸建ての住宅のほか、マンション、アパート、社宅、寮、貸間等が含まれます。
通常住宅に付随して、又は住宅と一体となって貸付けられる次のようなものは「住宅の貸付け」に含まれます。

① 庭、塀、給排水施設等住宅の一部と認められるもの

② 家具、じゅうたん、照明設備、冷暖房設備等の住宅の附属設備で住宅と一体となって貸付けられるもの

③ 駐車場等の施設については、次によります。
A 駐車場の貸付けは、次のいずれにも該当する場合、非課税となります。
a. 一戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられている等の場合
b. 家賃とは別に駐車場使用料等を収受していない場合
B プール、アスレチック、温泉などの施設を備えた住宅については、居住者のみが使用でき、家賃とは別に利用料等を収受していない場合、非課税となります。
④ 店舗等併設住宅については、住宅部分のみが非課税とされますので、その家賃については住宅部分と店舗部分とを合理的に区分することとなります。

出典: 国税庁ホームページ「No.6226 住宅の貸付け」より一部抜粋

最近では、様々な形態の住宅が登場してきているので迷うことも多いかと思います。迷ったら、上記の定義に立ち返ることが重要です。

 

ウィークリーマンションの取扱い

不動産投資家の方においても、住宅の家賃収入には消費税は非課税であるという規定はご存知かと思います。ただし、敷金や権利金を取って住人に住宅を貸して不動産収入を得るのが一般的な貸家経営と言われますが、近年では様々な形態の不動産の貸付形態が存在し、住宅とは何を指すのかで迷うことも多いかと思います。

例えば、冒頭でも記載したマンスリー・マンションや、ウィークリー・マンションなどです。広告などでも度々目にする機会も多いかもしれませんが、最近では敷金も取らずに、設備面ではホテル並みに充実した内容を兼ね備えているものも出てきています。

ここで、ざっくりと説明すると、契約貸付期間が1ヶ月以上のものをマンスリーとし、不動産貸付業に含め、1ヶ月未満のものをウィークリーとしホテル旅館業と同様の扱いと考える、期間的に基準が設定されています。

したがって、住宅の家賃収入であっても、一般的なケースでは、マンスリー・マンションは消費税非課税、ウィークリー・マンションは消費税課税と言うことになります。

 

一括借上げマンションの取扱い

住宅の貸付と言うと、個人相手のビジネスと思われがちですが、マンションなどの住宅を会社の社員寮として貸す場合や不動産管理会社などに一括で借上げしている場合の家賃収入は、同じ住宅家賃の収入ですが特に留意が必要です。

税法では非課税とする要件として、契約において、人の居住の用に供することが明らかにされているものに限ると規定されています。例えば、企業の社員寮として貸す場合などは、社員寮としての使用を契約時に明確に規定することが求められます。

 

また不動産管理会社への一括貸付けの場合には、貸付け時に転貸は居住用に限定しておくことも重要な視点です。さもないと、一括借上げを行った不動産管理会社が、どのような用途に転貸可能な契約では、上記の定義を満たさないこととなり消費税が課税される恐れがあります。

 

課税と非課税の考え方

消費税が課税されると損かというと、家賃に消費税を上乗せできるのであれば、消費税が課税された方が得です。なぜならば、費用面の各種経費(水光熱費、消耗品費、外注管理費)には課税されているのです。したがって、その支払った消費税は、非課税事業者ではその分を控除できない仕組みとなっています。

不動産に関する税理士相談なら

以上が、今回の税理士ブログの内容でした。いかがでしたか。不動産の消費税の取り扱いは難しい点も多くあります。

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