平均課税制度を検討すべき理由

平均課税制度

所得税は、所得の種類に応じて、超累進税率がかけられるため、所得に応じて税額が大きくなっていくことが一般的です。

ただ、スポーツ選手でプロの世界で活躍された際の契約料、作曲家の方の作曲料、漫画家の先生などがヒット作を生み出し印税や原稿料で、一時的に収入が増えることがあります。

また、土地や建物等の不動産の大家さんで更新料が例年より多額に入金されるケースもあるかと思います。

 

そのような際に、「たくさん収入が入ってうれしいけれど、税金を払わないといけないと困る」と思うかもしれません。

その時に検討したいのが平均課税という制度です。以下、概略を記載したいと思います。

 

概要

平均課税制度とは、臨時的に収入が増えた方や年によって収入の変動が激しい方に対する税金を緩和する制度です。(所定の要件を満たすことが必要です。)

漁業による所得、養殖、印税、原稿料、作曲料などによる所得、不動産等で一時に受ける権利金や頭金などに適用する余地があります。

通常の超過累進税率よりも低い税率を適用して税額を計算できる制度であるため、税負担が大きいと感じる場合は検討してみることをお勧めします。

 

【具体的な要件】

①前々年、前年に変動所得がなかった方や、前々年、前年に変動所得があってもその合計額の2分の1の金額が本年の変動所得の金額に満たない方については、本年の変動所得の金額と本年の臨時所得の金額との合計額が本年の総所得金額の20%以上であること

②前々年、前年に変動所得があって、その合計額の2分の1の金額が本年の変動所得の金額以上の方については、本年の臨時所得の金額が本年の総所得金額の20%以上であること

 

計算方法例

平均課税制度を適用した場合、通常の超過累進税率よりも低い税率を適用して税額を計算できます。

計算方法の概要は、臨時的に受け取った契約金や更新料について、その5分の1(20%)の金額を算出します。次に、その算出した金額に超過累進税率をあてはめて乗じた金額を5倍することで税額を計算します。

 

事例

(出典「変動所得・臨時所得の説明書(国税庁サイト)」より抜粋)

 

上記は、原稿料(1,000,000円)、権利金(1,500,000円)を受け取ったケースです。

 

手続き

平均課税制度を利用する場合、確定申告書にその旨を記載するとともに、「変動所得、臨時所得の平均課税の計算書」(上述の記載例の様式)を添付します。

【参考】

国税庁・確定申告作成コーナー

https://www.keisan.nta.go.jp/r3yokuaru/cat2/cat26/cat269/index.html