公示地価の動向

不動産 市況

国土交通省が2019年3月に発表した今年1月1日時点の公示地価によると、全国の地価は前年から1.2%上昇し、4年連続の上昇となりました。

福岡においても、平均約36万/㎡、坪単価では平均約119万/坪で、前年からの変動率はプラス7.4%となっています。

住宅地ではリーマン・ショック以来の上昇に転じた前年からプラス幅を拡大。地方圏では全用途でバブル期以来27年ぶりのプラスに転じる結果となり、近年続く上昇傾向を全国的に維持しました。(1992年調査以来)

都市部の商業圏は堅調

ただし都市部以外の地方では下落幅の縮小は見られるものの全用途でマイナスが続き、交通に便利で都市部に近いエリアでの地価が上がる一方、下落が続く地点も依然多い状況です。

4年連続の上昇を主導したのは、都市部の商業地の地価上昇です。

商業地は前年の1.9%上昇からさらに伸びて全国平均で2.8%上昇しています。東京、大阪、名古屋の三大都市圏ではそれぞれ、前年比4.7%、6.4%、4.7%と軒並み伸び、さらには、他の地方都市圏である札幌、福岡、仙台、広島では、前年の7.9%をさらに上回る9.4%の著しい上昇を示しました。

海外からの観光客が増加していることを背景にホテル、店舗用地などの需要が高まったことに加え、金融緩和を背景とした法人投資家などによる不動産取得が地価高騰に拍車をかけていると言われています。

住宅地ではリーマン・ショック以来の下落が17年に止まり、18年に0.3%のプラスに転じましたが、今年はさらに上昇幅を広げ0.6%増となりました。

全国的にも上昇や下落幅の縮小がみられましたが、地域間には大きな差が出ています。三大都市圏が1.0%上昇地方中枢都市が4.4%と前年以上に上昇する一方で、それ以外の地方圏においては、0.2%の下落となりました。

少子・高齢化が進むなかで、より生活に便利でインフラの整備されている都市部に人口が集中する傾向がうかがえます。