29年度税制改正情報

震災等への対応措置が強化

29年度税制改正において、災害が頻発する昨今の現状を踏まえ、災害により被害を受けられた方のために災害対応の税制上の措置が恒常化されています。東日本大震災委、熊本地震など、大きな天災が立て続けに起こっていることから、被災地支援という点からは大変意義のある措置であると考えられます。

災害損失の繰戻しや特別償却

災害損失の繰戻しによる法人税額の控除などや、災害を指定して適用される被災代替資産等の特別償却などが制度化されています。

災害損失の繰戻還付の制度は平成29年4月1日以後に適用されます。そして、災害発生日から1年経過日までの間に終了する各事業年度に生じた災害損失欠損金額がある場合に、その各事業年度に係る確定申告書の提出と同時に、災害損失欠損金額に係る事業年度開始の日前2年以内(青色申告書提出でない場合は前1年以内)に開始した事業年度の法人税額のうち、災害損失欠損金額に対応する一定額の還付請求が可能です。

この改正においては、経過措置が設けられており、平成29年4月1日前1年以内に終了した事業年度に係る確定申告書を4月1日前に提出している場合には、通常は確定申告書の提出と同時に還付請求するところ、平成29年4月30日までに納税地の所轄税務署長に還付請求した場合には、同措置の適用が可能。

被災代替資産等を取得した場合の特別償却の取扱いは、東日本大震災で特例的に設けられたものですが、今回の改正によって、今後災害により一定の代替資産を取得等した場合に、特別償却を認める恒久的な制度として設けられます。

特定非常災害特別措置法の対象となる災害に適用され、非常災害の発生日の翌日以後5年経過日までに取得等した一定の減価償却資産が対象となります。

改正の適用時期

この改正は、平成29年4月1日以後に終了する事業年度分について適用されます。ただし、経過措置が設けられており、例えば平成29年3月期など、施行日の平成29年4月1日前1年以内に終了した事業年度については、遡って同制度の適用が可能となります。被災代替資産を平成29年4月1日の属する事業年度(経過事業年度)に保有していれば、経過事業年度において、特別償却不足額の1年繰越しが認められる特別償却不足額制度等を適用できますので、該当されます方は、ご確認ください。

(参照元) 国税庁「災害により被害を受けられた方へのお知らせ

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